カシミア号遠行

公開日 2012年10月19日(Fri)

ファイル 1026-1.jpg 本日,本校の伝統行事であるカシミア号遠行が行われました。

 これは私たちの住む種子島で明治時代に起こったカシミア号乗組員漂着にまつわる出来事を学ぶことによって,本校の校訓である「寛恕」と「創造」の精神を,そしてカシミア号漂着地までの往復25kmという長距離を歩き通すことによって「誠実」「気魄」の精神を学ぶための学校行事として始まったものです。今年で第5回目となります。

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 昨年度は雨天のために実施できませんでしたが,今年は(この時期にしては暑すぎるくらいの)晴天に恵まれました。そして,生徒たちは学校から伊関港まで,途中のチェックポイントを通過しながら元気に歩きました。そして,最後のチェックを体育館で受けて,見事に完走となりました。

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【カシミア号漂着にまつわる出来事】
 明治18年(1885年)9月11日,アメリカの商船カシミア号が種子島南東沖で難破した。12名の乗組員はボートや筏(いかだ)で立山,伊関に漂着。そのとき両地区の住民は見たこともない異国人を拒絶することなく,手厚く介抱し本国へ返した。
 帰国した乗組員は,彼らが受けた介抱と思いやりがいかに優れて人間的,かつ気高いものであったかということについて,アメリカの国民に伝えた。このことはアメリカ政府にも伝わり,1889年にアメリカ合衆国大統領名で伊関・立山両地区で中心的な役割を果たした岩坪平左衛門と古田貞吉に金メダルが,翌年には両地区に5,000ドル(現在の価値で数億円)が贈られた。贈与金は学校建設や奨学金の設立などの費用として有効活用され,その後の児童生徒たちの教育に大きく貢献した。