種子島高校に生えているのは,アコウ? ガジュマル?

公開日 2023年09月12日(Tue)

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 種子島高校に生えているのは,アコウなのか? ガジュマルなのか?

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 みなさんは,アコウの木と,ガジュマルの違いが分かりますか。えっ,一緒じゃないの?と思ったあなた,違いますよ。似てますけど。どちらもクワ科イチジク属です。漢字ではアコウは,榕,赤榕,ガジュマルは,榕樹と書かれます。榕は溶けるの字と同じで,樹形がまるで溶けているように見えるからだそうです。あの垂れ下がった枝は,気根と言われ,下にある木に巻き付いて枯らすこともあることから「締め殺しの木」と呼ばれます。

アコウ葉

ガジュマル葉

 違いはアコウの方が葉が長くて大きく(上の写真),ガジュマルは短くて小さい(下の写真)そうです。気根もアコウは太くタコの足みたいで,ガジュマルは細い紐状です。

アコウ実
(上3枚の写真の出典は,”Ecological Notes Web" https://ecological-information.com/)

また,丸い実がなりますが,あれは花序(花嚢)といい,内部に花があります。イチジクの実みたいですね。コバチという小さなハチが,花序の先端から中に入り,花粉を体に付け,別の花序に入ることで,受粉するそうです。コバチとアコウ,ガジュマルは1対1対応で決まっていて,絶対送粉共生システムというそうです。不思議ですね。

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 保健室前

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 第28代種子島実業高校校長 新納堯英「緑にまつわる思い出」(同校『創立80周年記念誌』1986年3月)によれば「…樹齢八十年にもなる玄関正面のロータリーに群植されているソテツ,校舎と背くらべしているかのようなワシントンヤシやフェニックス,年中濃い緑の葉をつけたインドゴムの大木やガジュマル等…」。また同「春夏秋冬の思い出」(同校『創立90周年記念誌』1996年3月)によれば,「…また南国特有の濃い緑の葉をつけたガジュマル,インドゴム,ソテツの群植など,うまく配植された校舎のたたずまいがとても好きでした…」

 とあり,ガジュマルとみて,間違いなさそうです。本校敷地内にどれだけ生えているのか。正門近くに,左右3本ずつ,図書室前に1本,保健室前に3本,グラウンド周囲に20本ぐらい。まだあるかも。種子島高校の校舎の風景を作っていると思います。

  追加情報:昭和39(1964)年に,オリンピック記念として,学校周辺にガジュマル3000本植えたそうです。(『創立80周年記念誌』)