【芋発電】発電実験が行われました

公開日 2012年08月28日(Tue)

ファイル 970-1.jpg 8月25日(土)の午前中,電気科実習棟の前で芋発電の実証実験が勝行われました。これは3月から本校電気科・生物生産科と近畿大学の鈴木高広教授が共同で取り組んでいるもので,芋を効率よく栽培し,それを乾燥させたチップにして燃料として利用し,その熱を利用して発電を行おうというものです。

ファイル 970-2.jpg 台風15号が接近するなか,金曜日の午後から実験の準備が始まりました。大阪からフェリーで運ばれてきたボイラーと発電機は,実験を見る人がその仕組みを理解しやすいように工夫が凝らされていました。制作を担当した大阪府大東市の(株)シルバーロイ販売さんのお話では,「せっかくこのような素晴らしい実験をするのだから,見る人に楽しんでもらえる工夫がしたかった」とのことです。数回の試作を繰り返し,完成した発電装置は見事な仕上がりになっていました。

ファイル 970-3.jpg 今回の実験では,乾燥させた芋チップをそのまま,燃焼室に供給していました。こうして発生した熱エネルギーによって,ボイラー内の水が熱せられ,高圧の蒸気が発生します。この蒸気が隣にある発電機に供給されてピストンを動かし,その回転運動を自動車用のオルタネーター(発電機)によって電気エネルギーに変換される,という仕組みになっています。

 発電された電気は自動車用の鉛バッテリーに蓄電され,そこからインバーター(直流から交流へ変換し,昇圧する装置)に接続され,100ボルトの電源が供給される,という仕組みになっています。

ファイル 970-4.jpg 実験では,発電された電気によって工業用扇風機が軽々と回転し,蛍光灯が明るく点灯しました。さらに,学校にある電動バイクをこの発電機によって充電し,実験の最後にみんなで代わる代わる走らせて,実験の成功をみんなでお祝いしました。

ファイル 970-5.jpg 今回の実験で,乾燥させた芋チップだけでかなりの燃焼エネルギーを得られること,そして十分な発電量が得られることが実証されました。実用化に向けてまだまだ越えなければならない壁はありますが,ここ種子島でその大きな一歩が踏み出せたこと,そしてその現場に立ち会うことができたことに,生徒たちは幸せを感じたことでしょう。